ご挨拶
当事務所のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。私ども小川理税理士事務所は、クリニックの経営サポート専門の税理士事務所としてスタートしました。開業サポートは様々な意思決定に関わるため大変なこともありましたが、多くの先生方に厳しくも優しく教えていただきながら、ファミリーレストランなどで図面を広げて何時間も打ち合わせに没頭した時間は、私の大きな財産です。
私どもが開業した頃は、私どもにお寄せいただくご相談内容の中心は「集患」であり、それぞれの院長先生の強みをいかに特徴付けて診療圏内の住民に分かってもらうかがテーマでした。こうしたセールスマーケティングはクリニックではあまり行われていなかったものの、他の業界においては既に何十年もの蓄積があるものです。そのため、中小企業診断士としてコンサルティングに関わった事例のうち、クリニック用にアレンジして実行していただくだけで目に見えて効果が出たことも少なくありませんでした。
ところが近年、クリニック経営を取り巻く環境は大きく変化し、「集患」に加えて「IT化」や「人材確保」も経営上の大きなテーマとなってきました。クリニックでは今のところ、DX化というよりは受付業務、レントゲン読影業務、カルテ作成、検査データの管理など個別分野でのIT化が進んでいるといった様相です。しかし、闇雲にIT化しますと後に業務を統合しようとした際に多大なシステム開発コストがかかるため、部分的なIT化においてもデータ構造とコードをシンプルに維持するという視点は重要かと存じます。
人手不足につきましては、現在日本のいたるところで問題になっているテーマであり、飲食業などのサービス業では人手不足倒産が珍しいことではなくなっています。人材紹介会社や人材派遣会社の利用も、運よく人材が確保できれば、という状況になっています。
クリニックが看護師や衛生士などの医療スタッフを十分に確保するには、どうすれば良いのでしょうか。充足状態を長年継続している事業所の労務施策には、そのヒントがあると思います。 しかしながら、成功している病院やクリニックの施策や秘訣をそのまま実践したとしても、成功するとは限らないのが難しいところです。私はこれまで約1000人の医療従事者との面談に同席してきましたが、クリニックによって、診療方針も違えばよって立つ地域も、人員構成も違います。実際に経営上の効果を出すためには、それぞれのクリニックに即した活きた施策の実践が必要です。
すぐに答えの出せる課題ではありませんが、私どもも試行錯誤を繰り返してきた結果、最近ようやく奏功するものがいくつか出てくるようになりました。
集患に代表される顧客関連のマーケティングにつきましては、現在はLPガス事業や電気工事業の皆様のコンサルティングにおいて主要なテーマとなっております。事業体の訴求価値と事業分野別の原価計算を結び付けたマーケティングです。 もともと一般事業で獲得したマーケティングノウハウをクリニック経営に導入した訳ですが、クリニック経営のサポートをさせていただくうちにさらに蓄積し、今ではそのノウハウを一般事業に逆輸入しています。時の流れを感じずにはいられません。
もっとも、クリニックに限らず、LPガス事業や電気工事業に限らず、事業体の収益の源泉は常に現場にあります。第一線での顧客の反応やスタッフの動線が分かりませんと、経営戦略は絵に描いた餅になってしまいます。LPガス事業の経営サポートでは、必ず現実のルートで配送車の助手席に乗せていただきます。 電気工事業のサポートでは、ケーブルを準備したり圧着器を手渡したりして、工事のお手伝いをさせていただくこともあります。 また、院長先生やスタッフの皆さんと同じ言葉で話せるよう、臨床検査の基礎を20代の人達に交じって学んできました。そして令和7年、クライアントの皆様のご協力もあり、臨床検査技師の免許を取得することができました。採血では何度やっても手が震えましたし、オートスパイロの声掛けもタイミングを合わせるだけで一杯一杯という感じでした。しかし、医療現場で何が行われているかを現場レベルで見させていただいた経験は、何物にも代えがたいと思っています。
私自身は、依頼された業種に関わらず、数字の向こうにある現場を見に行く税理士です。これからも、絵に描いた餅ではない、現場に即したプランの提案と実行サポートに精進して参りたいと存じます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
所長 小川 理

所長略歴
中央大学法学部卒、株式会社十六銀行、税理士法人勤務を経て、税理士事務所開設。医療系コンサルティングの他、中小企業診断士として製パン工場や温泉旅館のチームコンサルティングにも参画している。趣味は囲碁とテニス。
保有資格:税理士、中小企業診断士、臨床検査技師。
著書:「クリニックの人事労務をどうするか」共著 2026年、星雲社
「個人事業主のための国税通則」2011年、星雲社
論文:「消費税率アップと中小企業経営」2013年、診断あいち
