育成方針
営業スタッフ育成方針
当事務所では、コミュニケーション能力を身に付けることを第一に指導しています。
サービス業において、すべての基本となるのはコミュニケーションです。そしてスムーズなコミュニケーション、さわやかなコミュニケーションができなければ、経営者の皆様からニーズを引き出すことはできません。そのため、当事務所では、入社後、あいさつの仕方、言葉遣い、名刺交換の仕方、おじぎの仕方など、コミュニケーションマナーに関する研修を徹底しています。
少し厳しい内容となっていますが、その分、研修後は、自信を持ってクライアントの皆様のもとにお邪魔できる人材になっています。
また、新人時代には、業務処理の正確性を徹底して身に付けます。これは、私達の仕事が、経営情報の加工をベースに行うものであり、間違いが許されない種類のものであるからです。いくら経営分析や問題解決法に時間を費やしても、その基礎となる試算表や決算書が間違っていては何にもなりません。そのため、新人時代には、まず「分かっていること」と「分からないこと」を明確にし、「分からない」ところでは必ず止まれるように訓練します。この時期の最大のテーマは、「分かっている」とは一体どういうことなのか、その問いに答えを出すことです。
ただ、正確であればそれで良い、という訳でもありません。事務処理の基本原則はあくまで「正確性」、「迅速性」、「厳格性」の3本柱です。このどれが欠けても、仕事は成り立ちません。ですから、新人時代はこの3点を常に意識しながら仕事を進めていってください。そして、分からないことは何でも質問しましょう。最初のうちは何をするにも時間がかかりますが、一通り月次処理ができるようになる頃には、正確性とともに迅速性をも備えることになります。

一人前のアシスタントになる頃には、一般的な会計事務所の職員と比べても、かなり良い仕事ができるようになっていることでしょう。クリニックと病院の違い、クリニック特有の取引や、各科目毎の特性も、この段階で少しずつ把握していきます。
当事務所は、残業はイレギュラー処理であると捉えているため、通常、残業はほとんど発生しません。仕事は仕事として、プライベートはプライベートとして、時間をきちんと確保できます。当事務所としては、それが、また次の仕事への活力となって、いい仕事をしていただきたいと考えています。

入社後、まずは指示された書類を正確に処理する記帳処理から始まります。現金出納帳、預金取引、振替取引と段階的に進み、分からないところは立ち止まりながら、正確に処理をしていく練習をします。また、法人税、所得税、消費税の各検定(2~3級)について、正社員であるかパートであるかを問わず教材費と検定料を事務所負担で受験していただき、合格後は給与に反映しています。
当事務所は人材育成を丁寧に行っています。
人に教えるというのは、喜びもありますが、とても大変な仕事でもあります。ですから、当事務所には、自分の人生やキャリア形成を真剣に考える人に入ってきて欲しいのです。
これから開業する税理士の方へ
開業後3年くらいは経営は苦しいです。が、得意分野のある方は4,5年目あたりから恐らく、曜日感覚が分からなくなるほどモーレツに忙しくなります。
いろんな得意分野の磨き方がありますが、当事務所は経営コンサル系なのでその話をしますと、AI普及のはるか前から言われていたことですが、十数年前あたりから、徐々に税理士にもコンサルティング能力が必要となってきていました。それが、AIの普及で一気に顕著になりました。
一般論や制度の解説はAIがやってくれるため、相続専門でやっていくのでなければ、税理士の実力は、関与先の業界ならでは、その企業ならではの情報を織り込んだシミュレーションを作成できるかどうかにかかってきています。
このとき、現場業務を知っていると非常に役に立ちます。
なので、開業間もない暇な時期に、最低一つ、他業種の経験をしておくと良いと思います。
小川はこれまで主にアルバイトで10種類以上の職種を経験してきましたが、税理士や中小企業診断士の資格を取得してからも、老人ホームの給食スタッフ、スイミングインストラクター、健診スタッフなどの職種を経験しました。
その結果、これら3つの業種については、現場のオペレーションやボトルネックを肌感覚で知っています。現場業務を知っていると、コンサルティング案件を受注する際のプレゼンで扱うべきポイントのアタリをつけることができます。
また、経営者とのファーストコンタクトで入手すべき情報が分かります。これが非常に大きいです。この2つが分かれば、あとは聞いて、調べて、得られた結果をマーケティング理論や統計学を使ってプランを組み立てていけます。
プランの組み立ては、診断士を取れば法定の実務研修で実地で丁寧に基本形を教えてくれます。
現場業務を知っていると、プランを実行するときにハードルとなる現場スタッフのマインドを理解することもできます。それを回避すれば、実行のサポートも割と簡単に行うことができるという訳です。
現在、税理士で診断士も持っている人は全体の1%くらいでしょうか。1000人はいっていないと思います。しかし取得する人は徐々に増えてきていますから、現在のトレンドを考えると、私見ではありますが、20年後には15~20%くらいになっていると思います。
そして、開業税理士として生き残っていけるのかどうかという問題です。AIが普及すると税理士は要らなくなると言う人もいるようですが、AIが倫理観を持ったり納税者のマインドを汲むということができないので、そこまでではないでしょう。私見ではありますが、現在登録している税理士の40%は生き残っていけるのではないかと思っています。しかし、税金の計算だけで20年後、上位40%に入っていけるでしょうか。
開業税理士として生き残っていけるかどうかは、膨大な自由時間のある開業直後の3年間をどう過ごすかにかかっていると思います。
是非、自分が税理士として扱いたい業種の現場で、スタッフとして戦力になるまで働いてみましょう。
もし、扱いたい特定の業種がない、あるいは磨きたい技術が思いつかないという場合は、時期尚早です。まだ開業するタイミングではないと思います。勤務税理士時代の人脈は、残念ながらほぼあてにはなりません。
開業後、人脈は一からやり直しになります。開業した後の方針が無いと、多くは糸の切れた凧状態になります。どうせ暇だからと、手数料目的の紹介案件を安易に受けて、自身のリスク管理能力以上のリスクを抱えないように気をつけたいところです。
いくら税理士として経験豊富で優秀な方でも、開業間もない頃は経営者としては未熟です。少しでも関与先を増やしたいという気持ちが先走る中で、自分自身にどのような正常性バイアスがかかるのか判然としません。さらに、全責任を負ったハイプレッシャー状態でのリスク評価、リスク事案への対処は、経営者経験の浅いうちは非常に難しいと思います。
紹介会社への登録を考えている方は、紹介会社からどのような案件が回ってくるのか、複数の先輩税理士に聞いてからにしましょう。
また、税理士は業法上重い責任が課されています。税理士業務に関して会ったことも無い人達と契約するのは、その行為自体が多分にリスクを孕んでいるということに留意すべきと思います。例えば合意管轄。トラブルになったとき、本当にそれで大丈夫ですか?税理士は税務の専門家であって、トラブル解決の専門家ではありません。素人判断は事故のもとです。可能な限り、事前に弁護士に相談した方が良いでしょう。
得意分野を磨き、それを表現し続ければ、3年経てば経営は次第に軌道に乗っていきます。余裕をもって3年分の運転資金と生活費を貯めて、暇な時期にどのように自分の武器を磨いていくのか、複数のプランを持って開業しましょう。ひとの会社の経営に口を出すのであれば、自身のビジネスも戦略的に、ということです。
