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小川理税理士事務所

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クリニックのマーケティングについて

 少子高齢化に突入した現在、競合が存在するクリニックにとって、マーケティング活動はより重要性を増していると言えるでしょう。
 特に、名古屋市内、岡崎市内、岐阜市内などにおいては、ごく一部の科目を除いてクリニックの通常診療圏において競合が存在しないエリアは無く、程度の差はあっても、全く集患を意識せずに経営していくことは至難の業となっています。
 クリニックのマーケティングとは、患者満足を中心として集患の仕組みを構築していく活動であると当事務所は考えています。これを簡単に言い換えますと、「クリニックの良さを感じてもらい、口コミに繋げる活動」ということになります。そこでは、例えば

   広告 → 新患 → 実感 → 伝播 → 新患 → 実感 → 伝播

というような「サイクル」が重要になります。
 マーケティングというと、野立看板やバスのアナウンスなどの広告活動をイメージされる方も多いと思いますが、それはマーケティングを構成する一部であって、全てではないのです。もちろん、患者の住所地をプロットするなどして野立看板の位置やバスアナウンスの路線を見直していくことも必要です。しかし、

  広告 → 新患 

という単発2点型の活動はいわゆるセリングと言われるもので、毎回起点となる広告に大きなコストがかかり、継続していくことは簡単ではありません。一般事業分野では、新規顧客の獲得コストはリピーターの5倍かかると言われています。クリニックにおいてこれがそのままあてはまるかどうか分かりませんが、少なくとも名古屋市内ではかなり近い数字になっていると思います。それに、想定診療圏を半径何キロというように設定して、その中の患者の少ないエリアに広告を出すという手法が、いつも有効とは限りません。交通量の多い国道や河川で隔てられた向こう側は、物理的以上に心理的な距離が生じている場合もありますし、中心市街地から郊外へ向かうなど人の心理に逆らった流れの中で、ほとんど効果の期待できない広告を出してしまう場合もあるからです。
 また、実施コストを考えても、リピーターと新患では大きな差が生じます。新患については既往歴や生活歴も一からヒアリングしなければならず、カルテの新規ファイル起こしや診察券発行でも相応の時間と手間がかかります。分かり易くするために、極端なケースを考えてみます。仮に1日30人の来院患者があるとして、全員新患であった場合と、9割がリピーターで3人が新患である場合とでは、診療終了時刻も疲労度も全く違ってくることでしょう。患者満足度が高く、リピーターになっている患者には次のような特徴があると考えられています。

 1.長期間ロイヤルティを持ち続ける

 2.クリニックとそのサービスについて好意的な口コミを広めてくれる

 3.競合クリニックやその広告に関心が薄く、新たに競合が進出してきても左右されない

 4.患者としての維持コストがかからない

 5.サービスラインナップのアイデアを提供してくれる

 こうして考えてみると、やはり、クリニックでは来院する患者のほとんどがリピーターで、ほんとの新患というのは全体の2~10%くらいに持っていきたいところではないでしょうか。
 それを、どのようにしてもっていくのか。私たちは、3つの局面に分けて実行していく必要があると考えています。行き当たりばったりではなく、継続的に、かつ効率的に実施運営するためです。  

  集患トライアングル


 3つの局面に分けること自体はとくに難しいことではないのですが、どうでしょう、それぞれの局面で、いくつ位集患行動が思い浮かぶでしょうか。5個、10個、15個と挙げていくと、だんだん大変な作業になってきます。
 あるいは、こうした捉え方とともに、伝統的なマーケティングツールである4つのPからチェックすることも有用です。ただ、クリニックにおいては3つのP にするなどちょっとした工夫が必要となります。また、マーケティングアクションを考えるときには、くれぐれもサービス提供側の独りよがりにならないよう患者のニーズを意識する必要があります。

 これらの活動は、言うまでもなく医師としてではなく、経営者としての院長先生の活動です。そして、私たちの仕事は、経営者としての院長先生をサポートすることです。時間はかかっても、ひとつひとつの事象をどのようにして繋げ「サイクル」にしていくのか、あせらず、正攻法で、しっかりとやっていくことによって、強力な競合が出現したときでも慌てることなく対応できます。